女性ホルモンであるエストロゲンが欠乏する閉経。現代女性が閉経後約50年、健やかに快適に生きるには、乗り越えなければならない山がいくつもあります。閉経後の長い時間を健やかに生きるための選択肢のひとつが、ホルモン補充療法(HRT)です。HRTを漠然と怖がるのではなく、正しい知識をもって人生100歳を生き抜くための武器のひとつにしませんか。その効果や気になる副作用とリスクなど、気になるあれこれを、東京歯科大学市川総合病院産婦人科の髙松 潔先生にQ&A方式でお答えいただきました。
Q1. HRT(ホルモン補充療法)とは、どんな治療法ですか?
A1. 閉経移行期以降に、エストロゲン低下に伴う症状の治療や予防のために行う、エストロゲン投与の治療です。
HRTは、閉経により女性ホルモンであるエストロゲンが低下して起こる症状の治療や病気の予防を目的に行われる治療法です。HRTの基本は、エストロゲン剤の投与ですが、子宮のある女性は子宮体がん(子宮内膜がん)を予防するために黄体ホルモン剤を併用します。一方、子宮のない女性は子宮体がんのリスクがないため、エストロゲン単独で施行できます。
Q2. HRT(ホルモン補充療法)は、どのような症状に効果的ですか?
A2. ホットフラッシュや骨粗鬆症、萎縮性腟炎に特に効果を発揮します。
女性は卵巣機能が下がり、エストロゲンが低下することによって、さまざまな不快症状を経験します。HRTは、そんな閉経後女性のヘルスケアに非常に有効な力になります。
HRTに期待できる作用や効果は、さまざまあります。特に、血管運動神経症状であるホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、発汗など)には有用性が極めて高いといわれています。また萎縮性腟炎、性交痛などを緩和します。骨密度を増加させ、骨折予防・治療の効果があることも明らかで、骨粗鬆症の予防対策に極めて有用性が高いのです。
ほかにも抑うつ症状や皮膚萎縮ほか、更年期障害の症状(イライラ、不眠、関節痛など)に有用性があるといわれています。また閉経後に増加する脂質異常症や認知機能低下の改善、アルツハイマー予防、ドライマウスや歯周病ほかの口腔内症状の改善も示唆されています。
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A3. エストロゲン製剤には、錠剤、貼付剤、ゲル剤があります。エストロゲンと黄体ホルモンが配合されている錠剤や貼付剤も。
HRTの薬剤は、主役のエストロゲン製剤とサポート役の黄体ホルモン製剤。またエストロゲンと黄体ホルモンの配合剤もあります。剤形も、飲む(錠剤)、貼る(貼付剤)、塗る(ゲル剤)、腟剤と4種類あり、医師と相談して使い勝手がよいものを選べます。更年期障害などで健康保険が適用になり、薬代は1カ月1,000~3,000円程度です。
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[ 経口・錠剤 ]
飲むタイプの錠剤は、エストロゲン製剤、黄体ホルモン製剤、配合剤がある。錠剤タイプは1日1~2錠ほどを飲めばよいので、忘れにくいという声も。消化管で吸収され、肝臓を通って全身へ巡る。
[経皮・貼付剤]
[image id='16f4e126-a924-476c-875e-3472a17036be' mediaId='b68dabef-bad9-4a00-aadc-1eebec931f87' align='center' size='small' share='false' caption='' expand='' crop='4x6'][/image]おなかなどの皮膚に貼る貼付剤は、成分がまず肝臓を通らないので、肝臓への負担が少ない。2日に1回、あるいは週に2回貼るというルーティンが面倒という人も。かぶれやすい人には不向き。中身は目立たない肌色のシールです。
[経皮・ゲル剤]
[image id='c7320a51-b9c5-4df3-baa8-e93b8cd026f0' mediaId='dd1db137-d48a-4e56-9347-8a73c28a3203' align='center' size='small' share='false' caption='' expand='' crop='8x10'][/image]1日1回、決められた量を皮膚に塗る。両腕に塗る薬剤、または太ももや下腹部に塗る薬剤がある。貼付剤と同様、まず肝臓を通らないので、肝臓への負担が少ないといわれている。
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[image id='48c8fa1a-36b0-43f6-b709-63068331f1ae' mediaId='a02edaa9-c5b6-4d54-b357-115745103ca1' align='center' size='small' share='false' caption='' expand='' crop='6x4'][/image]1日1~2錠の腟錠を腟内に入れる。萎縮性腟炎、性交痛などの症状に対して、腟への局所療法として用いる。全身の症状への作用はない。
【女性ホルモン製剤一覧】
[image id='130155ab-154f-41de-a758-ab9d4adaee45' mediaId='c2f85504-70b7-4c96-bab0-e5de83decbbf' align='center' size='medium' share='false' caption='' expand='' crop='original'][/image]HRTは、基本的には閉経によって、エストロゲンが低下したことにより起こる症状への治療なので、エストロゲン剤を投与します。
ただし、子宮がある人は、エストロゲン剤だけを投与すると子宮体がん(子宮内膜がん)になる可能性があります。これを防ぐために、黄体ホルモン剤をサポート役としてプラスして使います。いまは、エストロゲン剤と黄体ホルモン剤を別々に使うだけでなく、両方の配合剤もありますので便利です。
子宮を摘出して子宮がない人は、子宮体がんが起こらないので黄体ホルモン剤は不要で、エストロゲン剤だけを単独で使います。改善したい症状や使い勝手などを考慮して選びます。
Q4. HRT(ホルモン補充療法)は、いろいろな投与方法があると聞きます。どのような方法で投与しますか?
A4. エストロゲンと黄体ホルモンを併用して使うのが一般的です。
子宮がある人は、エストロゲンと黄体ホルモンを併用しますが、大別すると「持続的併用投与法」と「周期的併用投与法」があります。子宮がない方は、エストロゲン製剤だけでOKです。
「持続的併用投与法」は、エストロゲンと黄体ホルモンを毎日連続して併用します。エストロゲンと黄体ホルモンの配合剤を使うのも便利です。いずれも、使い始めは不定期に出血が起こることがありますが、徐々に出血もなくなっていきます。閉経してから時間が経った人、または出血を望まない人に向いています。
「周期的併用投与法」は、エストロゲン製剤を使用し、途中で黄体ホルモン製剤を周期的に何日か併用する方法です。閉経前のホルモン分泌に近い投与法なので、閉経してすぐで生理のような出血があってもよい人に。多くの場合、黄体ホルモン剤を使ったあと、出血が定期的に起こります。黄体ホルモン剤の併用の代わりに、エストロゲンと黄体ホルモンの配合剤も使えます。
Q5. HRT(ホルモン補充療法)はいつから(開始年齢)、いつまで(終了年齢)使えるのですか?
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閉経して長く時間が経っていると、血管にプラーク(血栓)ができて、動脈硬化となっている可能性が高まり、エストロゲンの投与により心筋梗塞などが起きやすくなります。プラークのリスクの少ない、閉経後すぐの時期から始めるのが安全です。
使用期間は、いつまででも継続可能。国際閉経学会でも、「投与期間に一律な制限はない」としています。
Q6. HRT(ホルモン補充療法)を使えない人や、注意をして使うべき人はいますか?
A6. 乳がん、血栓塞栓症の既往のある人などは使えません。
HRTが使えない人(禁忌)は、乳がんがある人と乳がん経験者、子宮体がん(子宮内膜がん)などがある人、原因不明の不正出血がある人、ほかには、重い肝臓の病気がある人、血栓症、塞栓症、心筋梗塞、脳卒中を経験した人などです。
また、慎重投与、あるいは条件付きで使うことが可能な人は、60歳以上、または閉経後10年以上で初めて投与される人、子宮体がんや卵巣がんの経験者、肥満、血栓症リスクのある人、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症の経験者、片頭痛、コントロール不良な糖尿病、高血圧の人などです。
HRTの副作用を心配する人もいますが、乳房の張り、おりもの、ムカムカ、おなかの張りなどがあります。多くは慣れてくると解消されます。気になる場合は、医師と相談して薬剤や量を変えるなどで改善が可能です。
Q7. HRT(ホルモン補充療法)が乳がんリスクを上げると聞き心配です。
A7. HRT(ホルモン補充療法)が乳がんのリスクに与える影響はごく小さいものです.
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HRTには、更年期障害の改善(特にホットフラッシュや腟の萎縮症状には大きな効果がある)だけでなく、骨粗鬆症・骨折予防や動脈硬化症の予防など、ベネフィットも大きい治療法です。リスクばかりに目を向けず、閉経後の人生をどう生きるかを考えることも大切です。
Q8. HRT(ホルモン補充療法)を開始する際に必要な検査はありますか?
A8. 乳がん、子宮頸がん・子宮体がんの検査は必須です。
HRTの目的が不調の治療なのか、予防なのかを医師と確認します。問診で禁忌や慎重投与でないことも確認し、HRTの投与法を決めます。
投与前の必須検査は「内診、経腟超音波検査、子宮頸がん・子宮体がん検査、乳がん検査(マンモグラフィまたは超音波)、血圧、身長、体重、血算、生化学検査(肝機能、脂質)、血糖」などです。
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Q9. HRT(ホルモン補充療法)を途中でやめてもいいでしょうか。副作用はありますか?
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症状改善か、病気予防か、HRTの目的次第です。予防なら継続することをおすすめします。症状改善が目的なら、改善後しばらく経てば、本人の希望でやめることは可能です。
ただ、どういうやめ方をしても(突然止めても、半量にしてからやめても)、症状は一定の率で再発します。再発するとそれまでと同量ではコントロールに難渋することもあります。やめるタイミングは医師と相談して慎重に、というのが本音です。
お話を伺ったのは……髙松潔 先生
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取材・文=増田美加(女性医療ジャーナリスト) イラスト=瞳堂
『婦人画報』2021年1月号より
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